ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)は、R-Carスタータキットが、Linuxベースの車載情報機器のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)のソフトウェア開発用標準リファレンスプラットフォームの1つに採用されたことを発表した。これにより、同プロジェクトが開発したソフトウェアを動かすハードウェア環境を容易に入手可能となり、コネクテッドカー時代に向けて、IVI(In-Vehicle Infotainment)用アプリケーションソフトウェアを、早期に、容易に開発できるという。
R-Carスタータキットは、すでにAGLプロジェクトが2017年1月にリリースしたLinuxのUnified Code Base(UCB)3.0に対応しており、64ビットソフトウェア環境のため従来の32ビット環境に比べて、コンテナ技術(注1)など最新のIT向けソリューションを、シームレスに車載向けへ応用可能となる開発環境となるとしている。
また、R-Carスタータキットと組み合わせて使用するIVI開発用拡張ボード2種類(シマフジ電機製)が7月より発売される。拡張ボードのスタンダードモデルは、マルチディスプレイや各種ネットワーク用インタフェースが搭載され、さらにアドバンスドモデルは、最大8チャンネルのカメラ入力や高速/大容量のストレージを拡張できるインタフェースを装備している。
ユーザは、これらの業界標準となる最新のソフトウェア開発環境プラットフォームと、IVI開発に最適化された拡張ボードにより、IVI用車載ソフトウェア開発環境を、容易に整備することができるという。またルネサス製の無償ライブラリや190社以上のR-Carコンソーシアムのエコシステムによるサポートとも合わせて、IVI用アプリケーションソフトウェアの早期開発とコスト低減を実現するとしている。
(注1) コンテナとはアプリケーションを必要となる実行環境と組み合わせた状態でシステムに導入させる一種の仮想化技術で、ソフトウェア管理コストの大幅低減につながることからIT業界で近年非常に注目されている。
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